酒の聖地三輪 みむろ杉

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

 端麗辛口

日本の酒造りの発祥の地といわれている聖地三輪。

三輪にある大神神社は日本最古の神社で、本殿を持たず、三輪山をご神体として祀っている。
三輪山は古来から「三諸山」と呼ばれ、「うま酒みむろの山」と称されるは「みむろ(実醪)」すなわち「酒のもと」の意味で、 酒の神様としての信仰からの呼び名となったそうだ。
毎年11月14日は大神神社に全国中から蔵元・杜氏が集まり「醸造祈願祭」が行われ、境内では振舞酒も行われ、醸造家とともに多くの参拝客・観光客で賑わっている。

また醸造祈願祭の後に、酒蔵のシンボルでもある玄関先の杉玉を全国の酒造元に配っている。

・商品名:みむろ杉 純米吟醸 華きゅん おりがらみ無濾過生酒

・原材料:米・米麹

・原料米:雄町100%

・精米歩合:60%

・アルコール分:15度

・日本酒度:-1

・酸度:1.9

・アミノ酸度:0.9

今西酒造株式会社

奈良県桜井市大字三輪510

お酒の濃淡甘辛表では、濃厚辛口の指標にある。

しかしながら、生酒らしく香りはフレッシュで爽やかなラムネのような吟醸香が特徴である。

一口飲んだ時の爽快さで、ぐいぐいと飲みやすく、それでいて雄町特有の甘味とコクも追って広がってくる!

流石、聖地の酒とあって美味しく奥が深い味わいである。とくにこの ”華きゅん”は お試し頂きたい!

大和肉鶏は勿論、魚や野菜、洋食にも合わせやすいお薦めのお酒である。

博多の 若波

日本酒ランク【☆☆☆☆】

大正11年、今村本家酒造の分家として大川の地に創業した酒蔵で醸された。 蔵の傍を流れる筑紫次郎(筑後川)の若々しい波の姿より「若波」と銘名されたとのこと。

壽限無(じゅげむ)とは山田錦(父)と夢一献(母)の交配種の酒米の名前。

・商品名:若波 純米吟醸 壽限無

・原材料:米、米麹

・精米歩合:55%

・アルコール分:16%

若波酒造合名会社

福岡県大川市鐘ヶ江752

マスカット風の爽やかな果実の香りで、口に含めば上品な酸が感じられ、ほのかな甘み、お米の旨味と共に綺麗で透き通った後味が広る。
口に含んでから最初から最後まで大変バランスが良い逸品である。

和食は勿論、洋食にも合わせやすく、冬は鍋から夏はカルパッチョ等何でもOKである。

大高檀紙を藍に染めたようなラベルが高級感漂う。但しお値段は比較的リーズナブル。

雨後の月

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 端麗辛口

明治8年創業の蔵で、野呂山の伏流水で醸されたお酒である。近年は吟醸蔵として生まれ変わったそうである。

現に吟醸のラインナップが多く、どれにしようか迷ってしまう。

・商品名:雨後の月 純米吟醸 山田錦限定品

・アルコール分:16度

・原材料名:米、米麹(国産)

・日本酒度:+2

・酸度:1.4

・精米歩合:50%

相原酒造株式会社

広島県呉市仁方本町1丁目25-15

ほのかな吟醸香に比較的まろやかな口当たり、そしてすっと切れてゆく。

食中酒であるが、淡麗で冴えており単独で飲んでも飲みやすい。

天ぷらやお刺身、お惣菜から洋食、中華でも受け入れてくれる間口の広さに拍手。

是非、食卓においてほしい一本である。  

まさに「雨上がりの空に、冴え冴えと光輝くが周りを明るく照らす」如くである。

阿部勘 金魚

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

享保元年(1716年)に伊達藩の命により酒造株を譲り受け、塩竈神社への御神酒御用酒屋として酒造りをはじめたのが創業と伝えられている。

『宮城県産米を中心に原料米にこだわり、手間暇を掛けて丁寧な酒造りを心がけているとのこと。酒質は米の旨みがありながら後切れが良い、食べ物を食べながら飲み続けられる食中酒を目標とし、港町塩竈の食材を引き立たせることができるようなお酒でありたい』とういう酒蔵のコンセプトを掲げて日夜努力を重ねられ、近年は真空マイク口波加熱蒸留による焼酎も手掛けられている。

・商品名:阿部勘 純米吟醸 夏酒 金魚ラベル

・原料米:蔵の華(麹)/ササニシキ(掛)

・精米歩合:55%

・日本酒度:+3

・酸度:1.5

・アミノ酸度:1.0

・アルコール度数:15%

・阿部勘酒造株式会社

・宮城県塩竈市西町 3-9

涼しげに金魚が泳ぐ!

実はこの金魚、表から見たら、普通の白いラベル。

でも、後からみたら ”あら不思議!” お酒の中に金魚が浮びあがる

夏酒だけに、暑い時期に公開するつもりが・・

でも、このラベルは見てて飽きない。瓶を揺らせば、金魚がゆらゆら泳ぎ出す!!

阿部勘は他の商品も端麗辛口のすっきりを目指したお酒のようであるが、この夏酒金魚は、本当にすっきりとして飲みやすい。本来の飲み方である、キンキンに冷やして口に入れると、さらに辛口が際立つ。

でも、これをしばらく放置し、常温にしてから飲めば、これまた不思議、非常にまろやかで、優しい味わいに変わり口の中に広がる。

私は、常温で飲む方がこのお酒の良さを引き出し、より美味しい気がする。勿論、食中酒としても抜群で、塩釜であがったお魚を意識し造られたお酒だということが良くわかる。特に淡白な魚に、阿部勘は良い!

絵柄を眺めながら、ゆっくり味って頂きたい。

首都東京 屋守

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

東京のお酒。オクノカミ

420年前(1596年)に江戸の神田鎌倉河岸で、初代豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋の商いを始め、大勢の人びとが集る場として大変繁盛したという。以来、変遷を経て昭和の初期、現在の東京都東村山市に醸造元として豊島屋酒造が設立されている。

酒蔵は地方のイメージが強いのだが、東京にも勿論伝統的な酒蔵がある。流石に江戸の中心部からは少し離れたところに移転されているが、伝統的江戸の酒ということ変わりはない。

商品名:屋守 純米吟醸無調整  仕込み二十三号

原材料名:米・米麹

原料米:広島県産八反錦100%

精米歩合:麹米50%・掛米50%

アルコール分:16度

日本酒度:+2.0

酸度:1.4

豊島屋酒造株式会社

東京都東村山市久米川町3-14-10

全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っているため、やはり江戸時代以来の本来の日本酒に拘っているようである。

ほのかな果実の芳香と、一口飲めば優しい味が口に広がる。

全体的に甘みと酸味が抑えられ、すっきりとしたお酒で癖がなく飲みやすい。

ラベルの裏側にあるヤモリがトレードマーク。

屋守(オクノカミ)と呼ぶが、やはり家の守神、ヤモリがネーム語源であろう

コハダやシャコ、アサリや穴子、キンメダイ等東京素材と合わせてほしい!! 

是非、お洒落なラベルと、江戸前の味を!

茨木の 来福

日本酒ランク【☆☆☆☆】

来福酒造は十数種の酒造好適米と天然の花酵母を使われているという。今後、地元米を増やし、自社精米してお米の出来栄えに拘っていくそうだ。また酵母も自社栽培されており、近代蔵の拘りと個性が垣間見える。

商品名:Raifuku SP junmai ginjoshu (無濾過)

原材料名:米・米こうじ

アルコール分:15度

精米歩合:55%

来福酒造株式会社

茨城県筑西市村田1626

みずみずしく、そして柔らかい口当たり。リンゴのような甘みと酸味が口に広がり、ふくよかな味わいを感じたらほどなくきれてゆく。

強い主張はないが、その分爽やかで飲みやすくもある、万人好みのお酒である。

ラベルもワイン風で、近代的である。爽快な味わいを意識したお洒落なデザインとなっている。

パスタ料理やチーズ料理、ムニエル等、欧州の料理との取り合わせが頭に浮かぶ。

一方で、和風料理何でも合わせやすく、万能にマリアージュ出来るところが魅力である!

復興の証 AKABU

日本酒ランク 【☆☆☆☆】

岩手盛岡に新進気鋭の酒蔵がある。

もともとは岩手県大槌町にあった赤武酒造。しかし東日本大震災で蔵が完全流失し、2013年に盛岡市内に新しい醸造蔵を建て完全復活を遂げた蔵である!

ここは若き杜氏「古館龍之介」を中心に志ある若き社員達が一致団結し、新たな日本酒を醸している気鋭の蔵なのである。

商品名:AKABU 純米吟醸

原材料:米・米麹

精米歩合:50%

アルコール度数:15度

赤武酒造株式会社

岩手県盛岡市北飯岡1-8-60 

このお酒は、上立ち香の豊かさが特徴である。また、吟醸で有りながらまるで大吟醸ののような香りと、ほんのり甘く、飲み干すとゆっくりとキレる感覚は、優雅で豊かである。

無骨なイメージを受ける赤武というネーミングとデザインとは相反する、優しい味わいである。

このお酒は、若いスタッフの意気込みと、新しい繊細な感覚が醸した、新進気鋭の作品である。

この飲み口の良さと、すっと切れていく酸の爽やかさは間違いなく女性に受ける味だと思う。勿論、老若男女万人に受けるであろう。

これから、さらに洗練され日本有数の酒蔵になること想像に難くない。

AKABU 万歳!!

愛知の 二兎

日本酒ランク【☆☆☆+】

”二兎を追う者は一兎をも得ず”という言葉があるが、このお酒のラベルには”二兎を追うものしか二兎を得ず”と書いてある。

つまり、二律に背反するような二つのコトガラを最高のバランスの味わいになるように造ったということだそうだ。

徳川家康の故郷にて育まれた、この蔵は風土・歴史 – 丸石醸造株式会社 元禄3年(1690年)に創業。 清酒「三河武士」の商いを始めたそうだ。当然、”徳川家康”と命名された高級酒もここで造られている。

愛知県注目のお酒である。

商品名:純米吟醸 二兎 山田錦五十五 火入

原材料名:米、米こうじ

原料米:山田錦100%使用

精米歩合:55%

アルコール分:16%

丸石醸造株式会社

愛知県岡崎市中町6-3-3

芳醇な果物の甘みと、ほのかな酸味が、口に広がり、二律を求めるバランスに違わない味わいを醸している。

大変、美味しい酒である。

ただ、バランスが良いがためか、少し個性に欠けるかもしれない。しかし、それが飲みやすさと、万人に好まれるタイプのお酒に仕上がっていると感じる。

三河といえば、八丁味噌だが、恐らく主張の強い味噌と喧嘩しないお酒造りというものが、この地方の命題だったのかもしれない。この界隈のお酒は多く知らないが、二兎のバランスの良さから、勝手にそんなことを想像する。

土佐の維新 亀泉

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

土佐といえばカツオ。カツオといえば日本酒。日本酒といえばキレのいい淡麗辛口というイメージがある。しかし、今回はあえてこのイメージと真逆の”濃厚甘口”の亀泉”というお酒をご紹介したい。

創業120年を迎えるこ酒蔵は決して大きな会社ではないが、米と麹菌に特に拘っているそうだ。研究と研鑽を積むこの酒蔵は、土佐の維新といっても過言ではない。

・品名 亀泉 純米吟醸原酒 生酒

・酵母 CEL-24

・アルコール分 14%

・日本酒度 -15

・酸度 1.8

・アミノ酸度 1.1

原材料名 米・米麹

・精米歩合 50%


亀泉酒造株式会社
高知県土佐市出間2123-1

このお酒は、広島県産米の八反錦を50%まで磨き上げ、酒名の由来である高知県で開発された酵母『CEL-24』を使用して醸した純米吟醸生原酒である。

何といっても、日本酒-15という土佐には珍しい、甘口なのが特徴である。

香りは青リンゴの爽やかな吟醸香。そして口に含めば、青リンゴの甘い含み香が広がり、軽い酸味と発泡感が甘みを抑えてバランスを整えている。

原酒にしては低いアルコール度ながら、しっかり感じる酸味とほのかな甘みのバランスは絶妙で、初めて日本酒を飲む人に試してほしい。

一言でいえば、口当たりがソフトな白ワインのようなお酒である。土佐の男臭いイメージとは全く異質な日本酒だと思う。

パスタ、マリネ、アヒージョ、パエリア、ラザニア等、洋食はじめ、肉料理、日本食にもよく合う。

是非お試しあれ!!

津軽の名酒 豊盃

日本酒ランク【☆☆☆☆】

全国ではこの蔵だけが契約栽培する酒造好適米「豊盃米」を使用し、津軽富士岩木山の伏流水で丁寧に醸している。

このお酒の名前の由来は、陸奥国弘前藩初代藩主の津軽為信が、戦場で兵士の士気を鼓舞するために唄った「ホウハイ節」から付けられたそうだ。

日本酒党を虜にする名酒としても知られ、新酒はフレッシュな感覚を楽しめる。

・品名:豊盃 純米吟醸 新酒
・原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
・原料米:豊盃米100%使用
・精米歩合:55%
・アルコール分:15度
・製造元:三浦酒造株式会社
・青森県弘前市石渡5丁目1番地1

このお酒は、岩木山の伏流水とあってまず水の良さを感じる。このお酒を飲みたいがために岩木山に朝早くから登った事を思い出す。

口当たりが軽やかで、含んでからも穏やかに米と水の旨味が広がる。そして穏やかな酸味が後追いしてくる。

癖がないので、どんなおつまみでも合わせられる。スイスイ飲めるので、ついハイペースになってしまう。

このお酒を見ると、いつも”酒場放浪記”で吉田類さんがすすんで豊盃を注文していることを思い出す。呑ベイはこのあたりのお酒がストライクなのか?

でも、青森の酒は他の銘柄もそうだが、米と水を生かして必要以上に主張しないあっさり系でありながら、食べ物に寄り添ってくる典型的な食中酒である。

秋の夜長に、虫の音を聞きながら、ちびちびいくには、ぴったりのお酒である。