十字旭日

お勧めランク【☆☆☆☆】

 端麗辛口

【ラベルコメント】

『微生物の力をかり、天然の乳酸をつくり、酒母を育てる生酛造りをした純米酒です。20BYに初挑戦し、今期(2018年)で10年目となりましたが、変わらず酒造りの難しさ、怖さ、面白さ、喜びを感じられる造りとなっています。蔵に住み着いている酵母が醸す、幅のある味わいを楽しんでいただければと思います。今回はキレの良いタイプになりました。生は超限定』

・商品名 純米生原酒 十字旭日 生酛 五百万石70 29BY仕込18

・原材料名 米、米麹

・原料米 島根県産五百万石100%

・精米歩合 70%

・アルコール度数 19度以上20度未満

・日本酒度 +15

・酸度 1.9

・アミノ酸度 1.6

・酵母 蔵付き酵母

島根県出雲市今市町662

旭日酒造有限会社

生酛造りに加えアルコール度数が20%もある原酒とあり、少々きついお酒のイメージがあった。

しかし、実際には飲み口がすっとしていて、癖がなくそれでいて深い味わいが後を追って、口の中に広がる。

そして、最後に切れていくため、ついおかわりしたくなるお酒である。

あてには、濃いめのものがよく合い、中華や豆板醤やコショウ使った刺激が強めの食べ物にも十分耐えられる。

それでいて淡白な御魚でも、寄り添ってくれる。

十字旭日は玄人はだし向けのお酒というイメージであった。

が、このシリーズは意外なほど飲みやすく、十字旭日のイメージが変わった一品であった。

花冷え~ひと肌くらいがストライクゾーンのような気がするが、是非お試し頂きたい生酛である。

THE埼玉 五十嵐

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

・商品名:五十嵐 純米酒 28BY 無濾過生原酒 直汲み

・原材料名:米・米麹

・精米歩合:60%

・使用米:五百万石(100%)

・アルコール分:17度

・日本酒度:+4

・酸度:1.7

・天覧山酒造元 五十嵐酒造株式会社

・埼玉県伊能市川寺667-1

このお酒の特徴は、飲んだ時にストレートに感じる発泡感である。

シュワシュワとしたこの飲み口はシャンパンのそれに似ている。

梨のよなほのかな芳香と、飲んだ時の僅かな甘味が発泡感の裏側に隠され、やがて芳醇な味わいがあり、最後に切れていく。

そして何よりコスパが良く、その割に完成度も高く満足の一品である。

お肉や洋食系によく合うお酒として、お店の方がお勧め下さったお酒がこの”五十嵐”であった。

少し濃厚なお料理でも、すっと流し込んでくれる。そして、お酒の味わいを楽しませてくれる。

かつて武蔵武士が群雄割拠した無骨なイメージの埼玉を一新するようなお酒である!

入手困難 而今

日本酒ランク【☆☆☆☆☆】

 辛口濃厚

2004年に登場した「而今」をご紹介。

6代目蔵元杜氏の大西唯克氏は若いころから注目されるスター杜氏で、すべての酒造りの工程で精緻な計算をすることで有名である。この、而今特別純米無濾過生はフルーティな飲み口と、ほのかな甘みや爽やかな酸味が絶妙に調和し、飲み飽きることがない逸品である。

・商品名:而今 特別純米 無濾過生

・原料米: 米麹・山田錦、掛・五百万石
・精米歩合 : 60%
・日本酒度 : ±0
・酸度 : 1.9
・アルコール分 : 16%

・木屋正酒造
・三重県名張市本町 

而今は、十四代を超えたなどと噂になったほど、初めて登場した当初は本当にセンセーショナルな出来事だった。

幻の酒とまで呼ばれる『十四代』はいわゆる吟醸酒の代表格で、クリアで透明感のある美しい味である。

しかし、而今はその透明感に、ほのかなコクや酸味、甘味が加わり奥行きの深い味となっている。

まさしく、今の日本酒つくりの潮流を作った銘柄ではなかろうか。

このシリーズは、この完成度にして定価3,000円程と、大変リーズナブルなのであるが、なんせ手に入れるのが難しい。ほとんどは、有名飲食店などに出回り、個人は抽選予約販売がほとんどである。

しかし、日本酒を飲むなら避けて通れない一本であることは間違いない。

鈴鹿の伏流水に恵まれているとはいえ、何故、この三重県は、而今はじめ作、酒屋八兵衛などの名品が生れるのだろうか?おそらく、絶えない努力を重ねる、酒蔵や杜氏を育む土壌があるのだろう。

気鋭の酒 加茂錦

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

酒どころ新潟の加茂市に明治26年創業している。120年以上の歴史をもつ地元の銘酒としての基盤がある一方、2016年、新ブランドが大ブレイクした。その名も「荷札酒」と言い、ラベルも斬新で印象的である。

造り手は若手(20代)の次期蔵元、田中悠一氏で、いわゆる“理系男子”だったそうだが、「獺祭」や「十四代」に出会って日本酒の味わいに開眼されたという。そこで、酒造りの道を志すことになったそうだ。

「荷札酒」シリーズは、精米歩合50%以下の純米大吟醸が基準モデル。しかも、洗練された出来栄えにもかかわらず、比較的安価でリーズナブルである。

・商品名 荷札酒 無濾過生原酒 純米大吟醸

・原材料 米、米麹

・使用米 山田錦32% 五百万石68%

・精米歩合50%

・アルコール度数 15%

・仲汲み・生囲い

加茂錦酒造株式会社

新潟県加茂市仲町3番3号

上品でふくらみのある香味と甘みと後を引く余韻が印象的である。

フレッシュで心地よい酸味が広がり、やがて口の中にほのかな甘みと深い味わいが残る。そして程よく切れていくバランスのよさは絶妙である。

獺祭や十四代に影響されつつも、独自の味わいを確立されている。私はむしろ加茂錦の方が好きである。

このお酒は密かにブレーク中だということだが、あまり有名になってもらうと入手しずらくなるので、

一ファンんとしてはこれ以上人に知られたくはない。

でも紹介せずにいられない、美味しいお酒である。

魚にも、肉にも、野菜にもあい、和風、洋風、中華等、料理種類問わずマリアージュしやすく、万能

のお酒。是非ご賞味あれ。

能登の名酒 宗玄

日本酒ランク【☆☆☆☆+】

私の日本酒の原点が、この能登の宗玄である。日本酒の良し悪しが分らない時に、名もないおでん屋さんで勧められて口にしたのが最初だったと記憶がある。

それまで飲んだ日本酒は、鼻につくし、飲んだ後喉を焼くようなイメージが強かった。そして何より翌日に残ることが日本酒を遠ざける理由でもあった。当時まだ、安物洋酒のイメージの強かったニッカのレッドの方がましだと思っていたものだ。

しかし、この宗玄を呑んでから、日本酒に対するイメージが180度変わった。飲みやすく、しかも翌日に残らない。詳しいことは分からなかったが、当時はしばらくこのお酒を好んで飲んだ覚えがある。

最近になって何十年ぶりかに口にしたが、最初感じた大雑把なイメージと違い、このお酒の醸す繊細な味わいを感じることができた。

・商品名 生原酒 宗玄

・原料米:酒造好適米

・ 原材料:米、米麹、醸造アルコール

・アルコール度:19%

・酒度:-7

・精米歩合:65%

・特定名称:本醸造

・宗玄酒造株式会社

・石川県珠洲市宝立町宗玄24-22

もち米を使用した4段仕込み。
搾ったままの濃醇さで高めのアルコール度数だが、甘みと旨味がしっかりしている為度数よりも飲みやすい。
ほのかな甘みと、酸味、そして酒のふくよか味わいに、すっとした締まりがある。このあたりはアル添が良い仕事をしているんのだと思う。

このお酒は、分類的には普通酒となるが、いざ呑んでみれば『特定名称表記』なんて関係ないことが

良くわかる。

ふぐの子糠漬け、海鼠腸、ごり煮、治部煮、ノドグロなどを酒の肴に呑めば幸せ間違いなし!!


阿部勘 金魚

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

享保元年(1716年)に伊達藩の命により酒造株を譲り受け、塩竈神社への御神酒御用酒屋として酒造りをはじめたのが創業と伝えられている。

『宮城県産米を中心に原料米にこだわり、手間暇を掛けて丁寧な酒造りを心がけているとのこと。酒質は米の旨みがありながら後切れが良い、食べ物を食べながら飲み続けられる食中酒を目標とし、港町塩竈の食材を引き立たせることができるようなお酒でありたい』とういう酒蔵のコンセプトを掲げて日夜努力を重ねられ、近年は真空マイク口波加熱蒸留による焼酎も手掛けられている。

・商品名:阿部勘 純米吟醸 夏酒 金魚ラベル

・原料米:蔵の華(麹)/ササニシキ(掛)

・精米歩合:55%

・日本酒度:+3

・酸度:1.5

・アミノ酸度:1.0

・アルコール度数:15%

・阿部勘酒造株式会社

・宮城県塩竈市西町 3-9

涼しげに金魚が泳ぐ!

実はこの金魚、表から見たら、普通の白いラベル。

でも、後からみたら ”あら不思議!” お酒の中に金魚が浮びあがる

夏酒だけに、暑い時期に公開するつもりが・・

でも、このラベルは見てて飽きない。瓶を揺らせば、金魚がゆらゆら泳ぎ出す!!

阿部勘は他の商品も端麗辛口のすっきりを目指したお酒のようであるが、この夏酒金魚は、本当にすっきりとして飲みやすい。本来の飲み方である、キンキンに冷やして口に入れると、さらに辛口が際立つ。

でも、これをしばらく放置し、常温にしてから飲めば、これまた不思議、非常にまろやかで、優しい味わいに変わり口の中に広がる。

私は、常温で飲む方がこのお酒の良さを引き出し、より美味しい気がする。勿論、食中酒としても抜群で、塩釜であがったお魚を意識し造られたお酒だということが良くわかる。特に淡白な魚に、阿部勘は良い!

絵柄を眺めながら、ゆっくり味って頂きたい。

さくら色の鮎正宗

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 濃厚甘口

創業は、明治8年(1875年)。初代飯吉彦左衛門が良質の湧き水で
酒を醸したことが始まりだそう。

鮎正宗という酒名は、昭和の初めに当酒蔵に程近く保養地として有名な妙高高原町の赤倉に滞在された京都伏見の若宮博義殿下から、この地で鮎釣りをした際に命名されたという。

妙高赤倉といえば、スキー場の聖地。近くに池の平、杉の原、斑尾など、大規模で広いゲレンデを誇るスキー場が点在する。

・商品名:さくらいろ(SAKURAIRO)純米にごり酒 

・原料米:五百万石(麹)こしいぶき(掛)

・精米歩合:麹58% 掛70%

・日本酒度:-40.0

・酸度:2.0

・アミノ酸度:2.6

・使用酵母:協会赤色酵母

・アルコール度:10%

鮎正宗酒造株式会社

新潟県妙高市大字猿橋636

さらりとした口当たり、柔らかな甘みと酸味が特徴であるアルコールも低く、飲みやすい甘口

何といっても日本酒度-40.0という超甘口が特徴である。でも甘口濃厚にもかかわらず、適度な酸味もあるため思ったほど、くどくない。

食前酒として、お花見の季節は勿論、三月のお雛様、ハロウィン、クリスマス、誕生日会等にもピッタリのお酒。

桜シールが張った新聞をおもむろに剥がせば、桜色に染まった瓶が現れる。

正に”桜色”のにごり酒である。どぶろくのような野暮ったさはなく、お洒落でかつ飲み口も、案外柔らかくくどくない。

食中酒として合わすには難しいかもしれないが、食前酒としてパーティーや記念の行事にはもってこいである。

お酒を飲みなれない女性にも、お薦めの軽めの酒である。

首都東京 屋守

日本酒ランク【☆☆☆☆】

 淡麗辛口

東京のお酒。オクノカミ

420年前(1596年)に江戸の神田鎌倉河岸で、初代豊島屋十右衛門が酒屋兼一杯飲み屋の商いを始め、大勢の人びとが集る場として大変繁盛したという。以来、変遷を経て昭和の初期、現在の東京都東村山市に醸造元として豊島屋酒造が設立されている。

酒蔵は地方のイメージが強いのだが、東京にも勿論伝統的な酒蔵がある。流石に江戸の中心部からは少し離れたところに移転されているが、伝統的江戸の酒ということ変わりはない。

商品名:屋守 純米吟醸無調整  仕込み二十三号

原材料名:米・米麹

原料米:広島県産八反錦100%

精米歩合:麹米50%・掛米50%

アルコール分:16度

日本酒度:+2.0

酸度:1.4

豊島屋酒造株式会社

東京都東村山市久米川町3-14-10

全量無調整(無濾過・無加水)、全量ビン貯蔵を行っているため、やはり江戸時代以来の本来の日本酒に拘っているようである。

ほのかな果実の芳香と、一口飲めば優しい味が口に広がる。

全体的に甘みと酸味が抑えられ、すっきりとしたお酒で癖がなく飲みやすい。

ラベルの裏側にあるヤモリがトレードマーク。

屋守(オクノカミ)と呼ぶが、やはり家の守神、ヤモリがネーム語源であろう

コハダやシャコ、アサリや穴子、キンメダイ等東京素材と合わせてほしい!! 

是非、お洒落なラベルと、江戸前の味を!

茨木の 来福

日本酒ランク【☆☆☆☆】

来福酒造は十数種の酒造好適米と天然の花酵母を使われているという。今後、地元米を増やし、自社精米してお米の出来栄えに拘っていくそうだ。また酵母も自社栽培されており、近代蔵の拘りと個性が垣間見える。

商品名:Raifuku SP junmai ginjoshu (無濾過)

原材料名:米・米こうじ

アルコール分:15度

精米歩合:55%

来福酒造株式会社

茨城県筑西市村田1626

みずみずしく、そして柔らかい口当たり。リンゴのような甘みと酸味が口に広がり、ふくよかな味わいを感じたらほどなくきれてゆく。

強い主張はないが、その分爽やかで飲みやすくもある、万人好みのお酒である。

ラベルもワイン風で、近代的である。爽快な味わいを意識したお洒落なデザインとなっている。

パスタ料理やチーズ料理、ムニエル等、欧州の料理との取り合わせが頭に浮かぶ。

一方で、和風料理何でも合わせやすく、万能にマリアージュ出来るところが魅力である!

広島の拘り 亀齢

日本酒ランク【☆☆☆☆】

広島県東広島市の西条は、伏見、灘と並んで酒造りの聖地である。西城の町には赤い煉瓦煙突が林立し、エモーショナルな漆喰・海鼠壁の土蔵造りの酒蔵が建ち並ぶ。

亀齢酒造株式会社は1868年創業で、酒銘は「鶴は千年、亀は万年」の諺にあやかり、長命と繁栄を願って名付けられたそうだ。甘口が主流の広島県で、亀齢は珍しい辛口のお酒である。

商品名:亀齢 無濾過 五段仕込純米酒 八九 生酒

原材料:米・米麹

麹歩合:8割9分

原料米:中生新千本100%

アルコール分:17度

精米歩合:7割

酸度:2度8分

日本酒度:-13度

使用酵母:自家培養

アミノ酸度:3度

杜氏:西垣昌弘

亀齢酒造株式会社

広島県東広島市西条本町8番18号

通常、麹の割合は20~30%程だが、このお酒は89%が麹という贅沢で非常に手間の掛かる造りをしたお酒である。ラベルにもその拘りを前面に出している。
濃厚でボリュームのある甘みと旨み、フレッシュでジューシーな味わいが特徴である。酸度も高く、後口はさっぱりとしている。

通常であれば-13度の日本酒度から甘口の口当たりだが、酸度が高いため後味がスっとしおり、トータルで辛口に属する。

広島はやはりカキの濃厚な味わに負けない、日本酒の造りをしていて、濃厚な日本酒が多い。そんな中にあって、濃厚かつ切れる酒を醸した亀齢酒造。

海鮮は勿論、フォアグラや、アンコウ・タラの肝、白子、アボガドやチーズといった濃厚な味わいと舌触りの食べ物が良く合う。

寒い季節に、濃厚でまったりと杯を空けるには、亀齢がいい!